光学迷彩

Optical Camouflage

[ English / Japanese]

光学迷彩とは?

光学迷彩とはその名の通り物体を光学的にカモフラージュするための技術である.

複合現実感における一般的な映像提示技術は,現実空間にバーチャル空間の映像を重畳させるいわば映像の「加算」である.逆に現実空間の物体を視覚的に透明化,すなわち映像の「減算」を可能とする「光学迷彩(Optical Camouflage)」技術を用いることにより実空間内で邪魔な物体を視覚的に消去することが可能となる.

光学迷彩は光が入射した方向に反射する素材−再帰性反射材−を遮蔽物体に対し貼付した上で事前にもしくは実時間で撮影した背景映像を頭部搭載型プロジェクタで投影することにより実現する.光学迷彩は基本的に我々が開発したX'tal Visionの技術を応用しており,下図のような構成となる.

スクリーン素材として高精度の再帰性反射材を利用しているため,屋外の太陽光の下においても本システムは十分機能する.

背景映像をリアルタイムにカメラで撮影し投影するシステムを構築する場合,カメラ画像をそのままプロジェクタより投影した場合は映像が大きくずれてしまうことになる.よって本手法では背景の簡単なモデルを作成し,プロジェクタの位置での視点映像をIBR(Image-based Rendering)によりリアルタイムに生成している.両眼の位置に対応し,プロジェクタを2台用意することにより背景を立体的に提示することも可能である.

本手法は例えば力覚提示装置を遮蔽したり,手術時に術者の手の部分を透明化し操作を支援したり,コックピットの床面が透明になっかたかのように地上映像を提示するといった応用が考えられる.

本技術はあくまでも観察者側にプロジェクタを用意する必要があるため,映画「攻殻機動隊」や「プレデター」で登場するような迷彩服に利用することは現状のシステムでは困難である.しかし観察者の視点位置が測定可能な場合,実時間でキャプチャしたカメラ画像に対しIBR等の処理を行った後に小型プロジェクタより対象物体に映像を投影することにより将来的にはある程度限定された状況において実装可能であると考えられる.

Movies


mirror.mpg (915k)
鏡に再帰性反射材を貼っています(1998年発表)


oc-s.mpg (1.26M)
平面だけでなくあらゆる形状の物体に適用可能です


oc-phantom.mpg (1.66M)
作業対象を遮蔽してしまうロボットアームをカモフラージュすることもできます


oc-okugai3.mpg(700k)
実時間で取得した背景映像をコンピュータで実時間処理した後,投影しています.屋外での実験です.
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bone2.mpg(600k)
光学迷彩のアイディアの元になったX'tal Visionを応用した映像です.診察や手術支援に応用可能です
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参考文献

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Masahiko INAMI & Naoki KAWAKAMI: rpt@star.t.u-tokyo.ac.jp